Laravelアプリケーションの「終了タイミング」とは、通常、リクエストライフサイクルの
終了時を指します。
Laravelでは、リクエストを受け取って処理を行い、レスポンスを返した後、
フレームワークの実行が終了します。
当然ですが、変数に保持されていたデータは消えてしまいます。なので、
セッションで保管しておくなり、type=”hidden”でブラウザとの通信中は常時保持
させて、消さない工夫が必要になります。
これだとレスポンスに時間がかかると思うかもしれませんが、大丈夫です。
一度アクセスしたURLは、サーバーで少しの間だけ、保持されているので、多少は高速です。
この終了タイミングに関連する具体的なポイントを以下に示します。
Laravelの終了タイミング
- HTTPリクエストの場合
- Laravelは、
public/index.phpファイルがエントリーポイントとなり、
リクエストが開始されます。 - アプリケーションの処理が完了してレスポンスを送信した後、
終了処理が行われます。 - 終了時には、PHP自体のスクリプト終了処理(デストラクターの実行など)
が行われます。
- Laravelは、
- コンソールコマンド(Artisan)の場合
- コマンドの処理が完了した時点で終了します。
- Artisanコマンドやスケジューラー(
schedule:run)なども同様に、
処理が完了したらアプリケーションが終了します。
- Queueジョブの場合
- ジョブが実行され、結果を処理した後、プロセスが終了します。
- ワーカー(Queue Worker)が長期間動作している場合は、次のジョブを処理するまで
終了しないことがあります。
ライフサイクルの流れと終了時
Laravelアプリケーションのリクエストライフサイクルは、以下のように進行します。
- エントリーポイント
public/index.phpが実行される。- アプリケーションカーネル(
App\Http\Kernel)が起動し、リクエストが処理される。
- サービスプロバイダーの登録とブート
- サービスコンテナやサービスプロバイダーがロードされる。
- 必要なサービス(ミドルウェア、ルート、イベントリスナーなど)が
セットアップされる。
- リクエストの処理
- ルーティング、ミドルウェア、コントローラのアクションなどが実行される。
- レスポンスの生成と送信
- 処理の結果をレスポンスとして生成し、クライアントに送信する。
- 終了処理
- 終了時に以下が実行される:
- すべてのオープンなリソース(データベース接続、ファイルなど)が
解放される。 - Laravelの
terminateミドルウェアが呼び出される。 - PHPスクリプトが終了し、デストラクターが実行される。
- すべてのオープンなリソース(データベース接続、ファイルなど)が
- 終了時に以下が実行される:
Laravel固有の終了処理
Laravelには終了処理をカスタマイズするための以下の仕組みがあります。
1. terminateミドルウェア
- ミドルウェアで
TerminateMiddlewareを使用すると、レスポンスがクライアントに
送信された後に追加処理を実行できます。 - 例:
class TerminateMiddleware
{
public function handle($request, Closure $next)
{
return $next($request);
}
public function terminate($request, $response)
{
// 終了処理をここに記述
}
}
・ミドルウェアがterminateメソッドを持っている場合、レスポンス後に自動的に呼び出されます。
2. イベントリスナー
- Laravelはリクエストの終了時に特定のイベントを発火します。
App::terminatingイベントをリッスンして終了処理を追加できます。
use Illuminate\Support\Facades\App;
App::terminating(function () {
// 終了時のカスタム処理
});
3. デストラクター
- カスタムクラス内で
__destructを定義し、リソース解放などの処理を実行できます。
終了タイミングを考慮すべきケース
- ログやモニタリング
アプリケーション終了時にログを記録したり、モニタリングツールに情報を送信するケース。 - 外部リソースの解放
ファイルやネットワーク接続など、Laravelが自動で解放しないリソースを解放する
必要がある場合。 - 長時間動作するプロセス
Queueワーカーやリアルタイムアプリケーションでは、終了タイミングを正確に
把握してリソースリークを防ぐ必要があります。
Laravelの終了タイミングは、通常のPHPスクリプトとほぼ同じですが、
サービスコンテナやミドルウェアの仕組みを活用することで、
柔軟に終了処理を追加できます。
デストラクターのタイミングは? 通常は記述は不要。
Laravelにおけるデストラクター(クラスの__destructメソッド)は、PHPのデストラクターの仕組みに従っています。具体的には、オブジェクトがスクリプトの実行範囲から外れ、参照カウントがゼロになったタイミングで呼び出されます。
デストラクターが呼び出されるタイミング
- スクリプト終了時
スクリプトの実行が終了する際に、その時点で存在するすべてのオブジェクトが破棄されます。
この場合、デストラクターが呼び出されます。 - オブジェクトのスコープ外に出たとき
ローカルスコープ(メソッドや関数)の中で生成されたオブジェクトがスコープ外に出ると、
そのオブジェクトが不要とみなされ、デストラクターが実行されます。 - 明示的に
unsetしたときunset($object)でオブジェクトへの参照がすべて削除されると、
デストラクターが実行されます。
Laravel固有の注意点
Laravelはフレームワークとして、オブジェクトのライフサイクルやスコープ管理を内部的に
コントロールしているため、以下の点を考慮する必要があります。
- コンテナ(サービスコンテナ)によるオブジェクト管理
Laravelのサービスコンテナがインスタンスを管理している場合、これらの
オブジェクトは特定の条件が満たされるまで破棄されないことがあります。
コンテナに保持されている限り、デストラクターは呼び出されません。 - QueueやScheduler
Queueジョブやスケジューラーで利用するオブジェクトについては、実行環境や
プロセスが終わったタイミングでデストラクターが呼び出されます。 - シングルトンの登録
サービスコンテナにシングルトンとして登録されたオブジェクト
(singletonメソッドでバインドされたもの)は、リクエストが終了するまで
保持されるため、通常のオブジェクトよりも長くメモリに留まります。
実際の使用例
以下は、デストラクターの挙動を確認する例です。
class MyClass {
public function __construct() {
echo "Constructor called.\n";
}
public function __destruct() {
echo "Destructor called.\n";
}
}
// 通常のスコープでの破棄
function test() {
$obj = new MyClass();
}
test(); // この時点でデストラクターが呼ばれる
// 明示的な破棄
$obj = new MyClass();
unset($obj); // この時点でデストラクターが呼ばれる
// スクリプト終了時
$obj = new MyClass(); // スクリプト終了時にデストラクターが呼ばれる
注意点
- Laravelのデストラクターに依存したリソース解放
(例: データベース接続の明示的なクローズ)は、通常不要です。
Laravelは多くの場合、リソース管理をフレームワーク内部で処理しています。 - デストラクターを活用する場面は、主にクラス内部で外部リソースを扱う際
(ファイルハンドル、ソケット接続など)に限られるべきです。

