絵画における**同時対比(simultaneous contrast)**とは、
隣接する色同士が互いに影響し合って見え方が変化する視覚現象を指します。
この現象を意図的に利用することで、画家は作品の中で強調や奥行き、
感情的な効果を演出することができます。
同時に隣接する色の違いを対比するので、同時対比となります。
ちなみに、視覚誘導などにより、時系列に絵画の色の変化を観た時は、
継時対比と呼びます。
具体的には:
- 明度の同時対比:ある灰色が、白の隣では暗く、黒の隣では明るく見える。
- 色相の同時対比:例えば、緑の隣にある灰色は赤みを帯びて見える
(補色関係による影響)。 - 彩度の同時対比:鮮やかな色の隣では、隣接する色がよりくすんで
見えることがある。 - 縁辺の同時対比:明度や彩度が違う色の接続では、接続部分に
勝手にグラデーションや境界線が付いたように見える。 - 補色の同時対比:補色の鮮やかさが限界近くになり、 ハレーションが起こると、
目がチカチカするほどの刺激が発生する。
多くの場合、これなの手法が混在して、絵画を成立させています。
画家は意識・無意識のうちに、これらの手法を活用し、
絵画を鑑賞する人に錯覚を起こさせ、感性を刺激します。
補足すると:
- この効果は**シャルル・シュヴルール(Michel Eugène Chevreul)**によって
19世紀に理論化され、印象派やフォービズムなどの画家たちに大きな影響を与えました。 - 例えば、マティスやスーラなどは、色の対比を使って画面を生き生きとさせる
表現を多用しています。
要約すると:
明暗や色相、彩度の違いによる視覚の錯覚を利用し、隣り合わせたり、中に含んだりして、絵画から受ける感覚を変化させる手法
となります。
この手法を無意識に使って、評価の高い画家は、天才と呼ばれるのかもしれませんね。


