絵を描くには、絵を描く動機が必要になる。とても簡単で当たり前なのだが、
この動機を満足させる為に、情報を必要とする事となる。
この必要となる情報量により、絵の出来栄えが大きく変わる。究極は写真だが・・・
なので、どのような情報が必要になるのかを多くの本が記述している。
例えば、体系的にまとめた情報として
・コンセプト
・設定
・線画
・明暗
・配色
など、それぞれにまつわる情報で描いていけば、機械的にうまい絵が完成する。
これを経験なしで無意識にできるのが、天才なのだが、凡人は先人が確立した手順に
則って、部分的に個性をだせば十分である。
概ね凡人は、直ぐに描く手が止まる。当然だ、次に何をすべきかが分からずに
悩むからだ。上手い人ほど手が止まらない、次々と描きこみを行い、終わりがない。
自分が凡人と考えるなら、技術を学ぶべきだ、一通り覚えれば、上手い絵がかける。
なぜなら、覚えた情報が新しい情報を必要として、芋ずるしきに情報が増えて行き
手が止まらない。つまり、”上手い人になった”て事だから。
例えば、最初にコンセプトを考える。作画に限らず、作文や音楽などにも題名が付く、
表現したい内容を端的に表し、みんなに知らせたいし、自分がなにをしたいかを自分
に再確認させるにちょうどいいのだ。この題名を単語から文にするとコンセプトとなる。
何かを作ったら、名前を付けないと、あれ、それ、一番目のやつ、などと呼ばれる事
となる。なので、題名やコンセプトは必ず作る事となり、そこからがスタートとなる。
あとはどんどん情報量を増やして、それを表現させればよいだけだ。
題名:富士山
コンセプト:富士の風景と人の営み
設定:浮世絵風 風景画 富士山 人の営み
設定を起承転結すると、
起:海岸から観る富士山
承:荒れた海に幽かにみえる富士
転:漁をふる漁師
結:穏やかな日常
などを決めると、概ね描きたい絵が思い浮かぶ。
これで、線画は完成となり、色塗りに移る事となる。
配色もまた”起承転結”を使い、メリハリを付ける。
・起:メイン色
・承:サポート色
・転:アクセント色
・結:セカンド色
こんな感じでベタを塗ってみる。
これに質感を追加する。
柔らかさの表現:アウトラインをはっきり描くかで表現する。
光沢の表現:コントラストの大きさで表現する。
透明感の表現:彩度の大きさで表現する。
とすると、
海の表現は
・フワフワ柔らかく ⇒ アウトラインはぼかし
・若干ツルツル ⇒ コントラストは少々高く
・透明 ⇒ 彩度を低く
丘の表現は、
・カチカチに硬く ⇒ アウトラインをはっきり
・若干ザラザラ ⇒ コントラストは少々高く
・透明 ⇒ 彩度を低く
どうだろうか?手順通りに作業を行えば、手が止まる事が少なくなるのではないだろうか?
慣れてきたら色々な機能や画法を取り入れれば、個性を出せる場面も増えてくる。
どんなにひどい状態でも、一通り描き切る事が上達の早道と考える。